国宝の棟札を読み下しました。内容は以下のとおり。
伯州三徳山の鎮守蔵王殿は、建てて奉納されたその時節は分からないが、今だに大破したままなので、檜皮葺工事を献上する。
永和元年(1375年)乙卯七月二十五日檜皮を作り始め、八月五日に軒付、同十一日には軒切、同二十五日棟裏の工事終了。
大工は、当国に住み、昨州一宮の両国の大工を兼務する左衛門大夫(さえもんのたいふ)、平(たいら)持貞、舎弟の平正持、藤原有弘、有弘の子藤原親弘、神延氏、橘正則、源時貞 等々七人以下略
その時に垂木尻金物を作って奉納した願主は、浄土院の実円坊の明範等々。
(裏書)
南座、観浄坊、妙浄坊
修理の世話人
北座、明皇坊聖賢、賢証房昌全 (解読 松岡哲也)
大正修理前の姿図には、とりぶすまがあり、木製の狛犬が奉納されています。狛犬は平安末期製作です。
これらの事より、投入堂は神社だった、と考えています。[投入堂研究集団(2007.9) |